・・・なスナック

こんなスナックは身近にないだろうか。

車道からドアを開けてすぐ入る、出るときに車が危ない一階のスナック。

客の平均寿命が高いが混んでいるスナック。

愛想の悪いスナック。

香を炊いているスナック。

ママや女の子が美人に遠く可愛いにやや近いスナック。

私は引かれる。


僕がはじめて 君をみたのは

車道に面した小さなスナック

一人ぼっちで 外へ出る時

通る車が やけに近くて

危なかったよ

 

僕がその次 君を見たのも

客に埋もれた いつものスナック

マイク握った 君の指先

強い震えが 止まらぬようでやばそうだったよ

 

僕が初めて 君と話した

日めくり暦の 小さなスナック

見つめる僕を ただしかとして

何も言わずに 勘定わたす

憎らしかったよ

 

今日も懲りずに やってきたんだ

美女に会えない うるさいスナック

毎日香の煙が揺れる

無理していえば可愛い君よ 忘れられない

無理していえば可愛い君よ 忘れられない

 

北海道男(きたみみちお)作