おそらく、日本一疲れる狛犬だろう。
1600年代後半(貞享3年~元禄7年)に作成されたといわれているので、400年も逆立ちしている。
津軽岩木山神社の重要文化財楼門の前には通常のいわゆる狛犬があるが、階段を上った石垣の角柱におかしなもの?がしがみついている。これも狛犬だというが、なんとも奇妙だ。
角柱とこの奇妙な狛犬は一つの石を削ったものだという。誰が造ったかは定かではないが、この元の巨石(角柱と狛犬が一緒となると、元の石の重量は600貫目(約二トン)、弘前(当時葛原村)の半右衛門という男が一人で一里の距離を運んだという。
この狛犬、見ようによっては角柱の陰にかくれんぼをしているようにも見えて愛嬌があり可愛いが、それにしても疲れるだろう。作者は永遠の修行を課したのだろうか。